ご両親が大切にしてきた庭や、子供が産まれた記念に植えた記念樹など庭の解体が決まり、寂しい思いをしているかたは多いのではないでしょうか?
今まで大切に育ててきた木や思い出のつまった庭をどうにか残すことはできないでしょうか?
今回は、大切な庭を解体する前に知っておきたい方法2つご紹介したいと思います。
目次
庭にある木を掘り起こし、新たな庭に植える方法です。新しく住む家に庭をつくるスペースがある場合はそのままの木を植え替えることができるのでおすすめです。
掘り起こす際に樹木の大きさに合わせて、根鉢の大きさを検討します。一般的には、樹木の幹の太さ(直径)の3~5倍程度の根鉢にします。樹木の周りをスコップや重機をを使って丁寧に掘り起こします。検討した根鉢の大きさより、広めに堀りはじめ徐々に小さくしていきましょう。この際に、樹木の根っこに気をつけながら掘り進めます。根っこは丁寧にハサミやのこぎりを使用して切り詰めていきます。掘り起こすことができれば、縄などを使い根鉢が崩れないように縛っていきます
樹木の植え付ける際に気を付けたいことは、どのような土壌なのかということです。具体的に言えば・かたい土(スコップで掘れない)・水はけが悪い土・石の多い土などです。樹木の根が元気に成長するように、土壌改良をおこないます。土壌改良材として、
バーク堆肥・・・土をフカフカにします
パーライト・・・水はけをよくします
ミネロック・・・水もちをよくします
また、樹木にとって好ま水持ちしい土の成分もあります。例えば、ブルーベリーは酸性土壌を好みます。この場合、ピートモスを使用して土壌改良していきます
土壌改良が終わると、樹木を植え付けて根鉢の周りに土の土手を作り、たっぷりと水をあげます。水をたっぷりとあげる理由として、根鉢と土の隙間を無くすことが目的です
1~3年前に根回しを行っておくと、樹木の活着率が高まります。期間に余裕がある場合は必ず行っておくほうがいいです。具体的な内容はこちらの動画をご覧ください。樹木掘り取りの参考にもなります。
樹木の移動に伴う最大のリスクは枯れてしまうということです。移動には樹木の大きさや種類により難易度が異なります。また、樹木を掘る際に根をあまり傷つけてはいけないため、大切な樹木の場合、造園業者にお願いすることが最善の方法です。また、樹木により最適な時期がありますので、庭の解体する一年ほど前から移植の計画をたてておく方がいいでしょう。確実に移植を成功させたい場合は、解体の3年ほど前に樹木の根回し(根を切る)をします。樹木の移植を行うには、根を切る必要があります。枯れてしまう可能性もありますので、理解しておきましょう。
大きな庭木などを手のひらサイズの小さな庭木にする方法です。手のひらサイズになることで、マンションやアパートでも育てることができます。大切な人へのプレゼントにもおすすめです。例えば、庭を大切にしていたおじいちゃん(おばあちゃん)の介護施設への入居が決まり、プレゼントとしておくってみてはいかがでしょうか?長年育ててきた庭木には、思い出も多くあると思います。植物には、癒しの効果もあり、お世話をする楽しさも含めて魅力的なプレゼントですね
庭木を小さくする方法として、・つぎ木・さし木・とり木・種まきがあります。以前、詳しいブログ記事を書きましたので参考にしてみてくださいね
庭の未来net.より参照
二点のリスクが考えられます
木は生き物です。私もたくさんの樹木で接ぎ木や挿し木を行ってきましたが、難しいものや何故失敗してしまったのかわからないことがあります。ちょっとした管理方法の違いで枯れてしまうのです。写真のように、同じ条件で接ぎ木の松の木を管理していても、袋をかけて湿度を保つ工夫を行っている方は成功しています。また、袋を外すタイミングや日に当てるタイミングなど、少しの違いで成功と失敗の差が出ます。また、小さくする適切な時期があり、間違ってしまうと失敗する確率が高くなります。これらの失敗条件を考え対応できるように、複数小さくしておく方がいいです。
庭に植えてある木はとても丈夫です。夏場に水をあげなくても元気に育っていきます。しかし、小さくした木は繊細です。小さな鉢の中に入っている木は、水の管理や栄養補給、病気への対応など庭木よりも手間暇がかかります。これらの管理方法に慣れてくると、すくすく綺麗に成長していくので感動も倍増していきます
大切な庭を守る2つの方法は
①樹木の移動
②庭木を小さくする
です
自分に合った方法で、庭を残してみてはいかがでしょうか?